Googleスプレッドシートで条件によって表示内容を変えたい場合は「IF関数」を使用します。
人生において分岐点がたくさんあるように、Googleスプレッドシートにおいてもそれは同じです。IF関数はとても実用性が高く使用する機会も多い関数です。
「もし〇〇なら「A」を表示する、△△なら「B」を表示する。」
そんな風に条件によって表示する内容を変化させたいケースは多くあります。IF関数を覚えればスプレッドシートでやれることが広がるので、しっかり覚えておきたい関数のひとつと言えるでしょう。
本記事では、IF関数の使用方法を知りたいという方に向けて、サンプルを交えながらIF関数についてわかりやすく解説していきます。
IF関数とは
IF関数とは、指定した条件によって処理を変化させたい場合に使用する関数です。
AND、OR、NOT関数やVLOOKUP関数など他の関数と組み合わせて使用することが多く、スプレッドシートを活用していく上で、はずせない関数と言えるでしょう。
例えば、テストの点数が70点以上で「合格」、70点未満は「不合格」と表示させたいケースを考えてみます。
上記条件で「合格」、「不合格」を分けるには以下のような数式を入力します。
=IF(B2>=70, “合格, “不合格”)
受験者名 | 点数 | 合否 |
---|---|---|
A | 100 | 合格 |
B | 30 | 不合格 |
C | 50 | 不合格 |
D | 80 | 合格 |
E | 45 | 不合格 |
F | 90 | 合格 |
G | 65 | 不合格 |
H | 10 | 不合格 |
このように条件に一致するかどうかで表示する内容を変えるのはIF関数の最も基本的な使い方です。
IF関数の使い方
では、IF関数の使い方について見ていきましょう。
IF関数
論理式がTRUEの場合はある値を返し、FALSEの場合は別の値を返します。
<使用例>
①IF(A2 = “地球”,”A2 は地球です”)
②IF(A2,”A2 は真です”,”A2 は偽です”)
③IF(TRUE,2,3)
<構文>
IF(論理式, TRUE値, FALSE値)
論理式の結果が真(TRUE)か偽(FALSE)のどちらであるかを判定し、真の場合は「TRUE値」、偽の場合は「FALSE値」の内容が返されます。
「FALSE値」は省略可能であり、省略した場合で論理式が偽となったら空白が返されます。
IF関数で複数条件を指定する方法
ここまで見てきたIF関数は条件を指定する論理式はひとつだけでした。しかし、場合によっては複数の条件を指定したい場合もあります。
例えば、テストの点数が70点以上で「合格」、70点未満は「不合格」、加えて、欠席者は「-」と表示したいケースです。
このような場合は、IF関数を入れ子にすることで実現できます。
まずは例を示します。複数条件によって表示内容を変えるには以下の数式を入力します。
=IF(B2=”欠席”, “-”, IF(B2>=70, “合格, “不合格”))
受験者名 | 点数 | 合否 |
---|---|---|
A | 100 | 合格 |
B | 欠席 | – |
C | 50 | 不合格 |
D | 80 | 合格 |
E | 45 | 不合格 |
F | 90 | 合格 |
G | 65 | 不合格 |
H | 欠席 | – |
今回の例のように、表示する内容を3つに分けたい場合、IF関数の中に、さらに別のIF関数を使用します。
分解して考えてみます。
まず、1つ目のIF関数で、欠席かどうかを判定します。
=IF(B2=”欠席”, “-”, <別のIF関数>)
欠席の場合は「-」、欠席でない場合は別のIF関数が実行されます。
次に2つ目のIF関数で、合格か不合格かを判定します。
=IF(B2=”欠席”, “-”, IF(B2>=70, “合格, “不合格”))
今回の例では3つの表示に分けましたが、IF関数をさらに入れ子にすることで、4つ、5つと表示内容を変えることもできます。
ただ、入れ子を深くしすぎるとわかりにくくなるため、4つ、5つと深くなる場合は「IFS関数」を使用した方がわかりやすくて便利です。
IF関数とよく一緒に使用される関数
IF関数は複数の関数を組み合わせて使用することでさらに便利になります。IF関数と組み合わせて使用する関数として代表的なものと言えるのが、OR関数、AND関数、VLOOKUP関数です。
どのように組み合わせて使用するのか、ひとつずつ考えていきましょう。
OR関数
ORはそのまま「または」を意味します。例えば、2回のテストのうち1回でも70点を超えれば「合格」としたい場合は、以下のようにIF関数とOR関数を組み合わせて使用します。
=IF(OR(B2>=70, C2>=70), “合格”, “不合格”)
受験者名 | 点数(1回目) | 点数(2回目) | 合否 |
---|---|---|---|
A | 100 | 90 | 合格 |
B | 50 | 65 | 不合格 |
C | 50 | 70 | 合格 |
D | 80 | 70 | 合格 |
E | 45 | 20 | 不合格 |
F | 90 | 80 | 合格 |
G | 65 | 60 | 不合格 |
H | 10 | 80 | 合格 |
このように複数条件のうち、いずれかひとつでも満たすかどうかを判定するケースでOR関数を使用します。
AND関数
ANDは「かつ」を意味します。例えば、2回のテストのうち2回とも70点を超えれば「合格」としたい場合は、以下のようにIF関数とAND関数を組み合わせて使用します。
=IF(AND(B2>=70, C2>=70), “合格”, “不合格”)
受験者名 | 点数(1回目) | 点数(2回目) | 合否 |
---|---|---|---|
A | 100 | 90 | 合格 |
B | 50 | 65 | 不合格 |
C | 50 | 70 | 不合格 |
D | 80 | 70 | 合格 |
E | 45 | 20 | 不合格 |
F | 90 | 80 | 合格 |
G | 65 | 60 | 不合格 |
H | 10 | 80 | 不合格 |
このように複数条件のうち、すべての条件を満たすかどうかを判定するケースでAND関数を使用します。
OR関数は条件が「いずれかひとつでも該当していたら真」、AND関数は条件が「すべて満たしていたら真」となる点の違いがポイントです。
VLOOKUP関数
VLOOKUP関数は、指定した範囲を対象に検索条件に一致するデータを抽出する関数です。
データ集計でよく使われる関数であり、とても便利な反面、苦手意識がある方も多い関数と言えます。
VLOOKUP関数の書式は以下です。
=VLOOKUP(検索値, 範囲, 列番号, [検索の型])
指定された「範囲」の中から「検索値」を検索し、「列番号」で指定した列の値を返します。
例えば、社員コードから社員名を自動的に検索して表示したい場合などに使用します。
このVLOOKUP関数をIF関数を組み合わせて使用するケースもとても多いです。
例えば、受験番号を入力したら、70点以上(合格点)であるかを判定して、「合格」「不合格」を表示させるといったことができます。
=IF(「VLOOKUP関数で検索した値」>=70,”合格”,”不合格”)
スプレッドシートでIF関数を使う方法まとめ
IF関数は、
「もし〇〇だったら△△をする、〇〇でなければ□□をする」
そんなタラレバを表せる関数です。
日常にもタラレバがあふれていますが、スプレッドシートにおいてもそれは同じです。
例えば「未来日付(明日以降)なら「〇」としたい」「数値がマイナスなら0としたい」など使用用途はたくさんあります。
IF関数は他の関数と組み合わせることでやれることが大きく広がる大変便利な関数ですので、この機会にぜひ覚えておきましょう。
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